ポータブル硬さ計の測定原理
 くぼみ直視型ビッカース硬度計の原理
TIV 測定イメージ
TIV method
ダイアモンド圧子:正四角錘型136°
試験荷重:50N(5Kgf)/10N(1kgf)
システム:18倍拡大光学式システムProbe

CCD:752x582ピクセル

   TIV法の利点

ビッカース硬さ測定法によるモバイル型硬度計ですので材料の弾性特性の影響を受けません

キャリブレーションの必要はありません
異種材料の測定が一つのTIVで可能(鋼、合金など・・・)

固定(静的)状態で荷重の適用
試験体の振動はありません
薄い、小さい、軽い部品においても測定が可能(コイル、シートなど・・・)


TIVはくぼみの制御を直接行える最初の硬度計です。(タッチペン)

TIV測定原理

TIV (Through Indenter Viewing)はビッカース硬さ測定原理に基づきます。プローブ内にあるCCDカメラにより、ダイアモンドを通してくぼみの状態を画面上にリアルタイムに見ることが可能です。ある一定荷重下になると画面上の画像がフリーズし、くぼみの対角線長さを自動測定し、同時に硬さ測定値を表示します。

マイクロスコープを使用して対角線の長さを測定する必要がないため、測定が迅速なだけでなく、対角線の読み取り誤差もほとんどありません。

また、追加設定せずに全方向姿勢測定が可能です。(Krautkramerの特許)

くぼみの状態を見ることが出来るため直接測定制御を行う事が出来る画期的なポータブル硬度計です。




超音波UCI式硬度測定器の原理
超音波硬さ計プローブロッド
ビッカース硬さ 公式 MIC10はUCI法式の超音波硬度計です。従来のビッカース式低荷重硬さ計と違って、顕微鏡で圧痕の大きさを評価せず、UCI法(Ultrasonic Contact Impedance超音波接触インピーダンス)に従って電子的に圧痕を評価しています。
この方法は、小さな圧痕を測定した時、その試験結果の高い再現性が保証されるので、視覚による評価より利点があります。

ビッカースダイヤモンドはプローブロッドの先端に取り付けられ、このロッドが約78KHzの共振周波数で振動しています。プローブ先端が試料に接触すると、その共振周波数が変化します。

この変化は圧痕面積のサイズに関係し、その変化量で試料の硬度を測定します。共振周波数は非常に正確に測定できるため、このUCI法がビッカース圧痕の評価を確実に行います。

プローブロッドの形式(手動・モーター駆動)と荷重によるプローブのバリエーション
  • 手動荷重  1Kgf(10N) : MIC201-A, MIC201-AL(ロングロッド), MIC201-AS(ショートロッド)
  • 手動荷重  5Kgf(50N) : MIC205-A, MIC205-AL(ロングロッド), MIC205-AS(ショートロッド)
  • 手動荷重 10Kgf(98N) : MIC2010-A
  • モータープローブ 0.8kgf(8.6N): MIC211-A
  • モータープローブ 0.3kgf(3N): MIC2103-A
  • モータープローブ 0.1kgf(1N): MIC2101-A
リバウンド式硬度測定器の原理
リバウンド法測定原理

DynaMIC 及び DynaPOCKETはリバウンド法を利用した高機能リバウンド式硬さ測定器です。装置は、インパクトボディとインパクトデバイス、表示ユニットで構成されています。リバウンド方式は測定が非常に簡単で再現性が高く、誰が測っても同じ値が得られやすく熟練が不要である点に最大の特長があります。

ばねの力でインパクトボディを被検材表面にあて、インパクトの位相速度とリバウンドの位相速度とを被接触で測定し、その測定値から硬さを算出します。測定した硬さ値は即座にデジタル表示され、検査結果の再現性も向上しています。( HL=1000Rp/lp )
  • DynaMIC D: 3mmタングステンカーバイトチップ、12Nmm2
  • DynaMIC G: 5mmタングステンカーバイトチップ、90Nmm2
  • DynaMIC E: 3mmダイヤモンドチップ、12Nmm2
このリバウンド法の測定では、主に表面が粗く結晶組織の粗大なものや不均質な表面状態の鍛造品、あらゆる鋳造品等の測定に適しています。
  • 測定対象物は2.5Kg以上の重さで、測定部肉厚は20mm以上必要です
  • 上記に満たないものは超音波硬度計をご使用下さい
  • 測定物にはインパクトデバイスによる圧痕が形成されます (下表参照)
       Dr. Stefan Frank 著 「ポータブル硬さ計アプリケーションガイド」より引用
    各硬さでの圧痕の大きさの対比(単位ミクロン)
    形式
    インパクトデバイス
    エネルギー・荷重
     
    Dyna G
    5mm ball
    90 Nmm
    Dyna D
    3mm ball
    12 Nmm
    MIC205
    (超音波硬度計)
    50N
    MIC2103
    (超音波硬度計)
    3N
    64 HRC   350 107 25
    55 HRC 898 449 124 28
    30 HRC 1030 541 175 41

    各硬さでの圧痕の深さの対比(単位ミクロン)
    形式
    インパクトデバイス
    エネルギー 
    Dyna G
    5mm ball
    90 Nmm
    Dyna D
    3mm ball
    12 Nmm
    MIC205
    (超音波硬度計)
    50N
    MIC2103
    (超音波硬度計)
    3N
    800 HV   16 16 4
    600 HV 63 28 20 5
    300 HV 83 35 25 6
[信明ゼネラル Top]